経営改善のポイント~第5ステップ
売上総利益(粗利益)を上げる方法

このステップでは、
最大の変動費である
仕入(原価)を見直すことで
売上総利益(粗利益)を上げる方法
について学びます。

 経営危機に陥って資金繰りに苦しんでいる会社の多くは、売上さえ戻れば何とかなると考えたり、目先の資金を確保するために原価割れの受注をしたりして、極端な割引セールをする傾向があります。
 しかし、安易な売上対策は、最悪の倒産へと向かう「負の連鎖」の進行に加速度をつけるだけです。
 本来、売上対策は利益を伴った売上対策でなければなりません。しかしながら不思議なことに、危機に陥った会社は経費の削減には血眼になるのに、最大の変動費である売上原価についてはほとんど手を打とうとしません。
 たとえば、年商1億円で粗利益率20%(粗利益額2000万円)の会社の売上を5%上げるためには、原価計算を無視した無謀な安売り以外、即効策はありえません。ただ、無謀な安売りで売上を5%(この場合500万円)上げたとしても、粗利益率がたった1%ダウンしてしまうと、粗利益額は次のようになります。
 1億500万円×0.19=1995万円
 つまり、売上が5%上がったにもかかわらず、粗利益額はダウンしてしまうのです。そればかりか、売上を上げるための営業経費や販売経費がかさむため、経常利益はさらに落ちるでしょう。

最大のポイントはロス率

 会社に利益を確実にもたらすためには、そのための「しくみ」が必要になります。それは、単に売上を上げることではありません。たとえ売上高の推移が横ばいであっても、あるいは売上高が多少落ちたとしても、会社が儲かる「しくみ」を作るのです。
 その「しくみ」作りを実現するためには、粗利益率(粗利益÷売上高×100)を一定のレベルでキープする必要があります。逆の視点から見れば、仕入や外注費、製造原価などの原価率を一定以下に抑えることだとも言えます。

 原価率を抑える方法はいくつかありますが、最も効果的なのはロス対策です。優良企業は総じて同業他社よりロス率が低いため、同じ価格で販売しても粗利益が高く、売上が同じでも高い利益を維持できるのです。
※ロス率を下げる手法は、『実務テキスト』で解説しています。

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