倒産を回避するために
経営者なら誰しも、苦しみや孤独に悩まされたことがあるはずです。しかし、どんなに苦しくても、夜逃げや自殺を考える必要はありません。けっして独りで思いつめないで、解決に向かって歩んでください。
小規模企業経営支援協会の『経営改善プログラム講座』は、そうした経営者を少しでも手助けしたいとの思いで開講いたしました。
どのような会社であっても、「いい時」と「悪い時」があります。
業績のいい時は、何もかもが順調にいき、作れば売れる、高くても売れる、断るほど受注が多い、優秀な社員が入社する、役員報酬は高い、接待交際費も使い放題……。
しかし、ひとたび業績が悪くなると、加速度を増しながら転がり落ちていきます。
売上が減少し、新たな借金を申し込む。それでも支払利息や借入金返済が増えるだけで、赤字になって資金不足に。売上アップを狙っても思うようにいかず、利益は減少、資金繰りは悪くなる一方。ついには個人の預貯金や保険の解約ばかりか、親族からの借入、商工ローンや街金融にも手を出してしまう……。
私たちもそうでした。経営者の苦しみを嫌というほど味わいました。
毎日、資金繰りのことで頭がいっぱい。いくら借りても資金繰りはいっこうによくならない。考えても考えても時間だけが過ぎていき、支払日が近づいてくる。「自殺」や「夜逃げ」が頭をよぎる。
「もし倒産して家屋を取られたら、家族たちはどうなるのだろう?」
家族や社員のことを思えば思うほど、誰にも本当のことを話せない。逃げ出すこともできず、相談する相手もいない。
実際、私たち小規模企業経営支援協会の専務理事である井上雅司(井上経営研究所代表)は、倒産を経験したことがあります。
不安と恐怖、屈辱感と罪悪感……。まるで犯罪者のように扱われ、ひたすら頭を下げることしかできない日々。道義的責任を痛いほど感じているのに、まったくの無力。あれほどがんばってきた自分を責め、自らを追いつめてしまう。
あの時の状況・心境は、倒産を経験した人間にしかわからないでしょう。
しかし、どんなに資金繰りが悪くても、それを改善する方法はあります。
また、たとえ「倒産」しか選ぶ道がなくても、より望ましいリスタートをする方法があります。
私たち自身、経営危機に陥る前はこの改善方法がまったくわかりませんでした。経営危機という暗いトンネルをくぐって初めて、その方法がわかったのです。その改善方法を、『経営改善プログラム講座』を通してお伝えできればと考えます。
ただ、経営改善の手法に「魔法の杖」は存在しません。読むだけで経営改善することなど、ほとんど不可能なことです。それでも、経営者の方が的確な方法で真剣に行動すれば、必ず道は開けるはずです。
もちろん会社によっては、諸事情によって改善策が見い出せず、倒産しか選ぶ道がないかもしれません。それでも絶対に、軽はずみに自己流の行動をとらないでください。たとえ倒産しか選ぶ道がなくても、「最良の倒産」と「最悪の倒産」では天と地ほどの違いがあるからです。
最悪のケースを避けるためには、とにかく早く行動することです。行動が早ければ早いほど、改善への道は多く残されています。まだ傷口が小さいからです。
それは病気と同じです。「もう1カ月早ければ助かったのに……」と後悔しないためには、重体になる前に行動するしかないのです。
もう一度言います。
早い時期から真剣に行動すれば、必ず道は開けます。
行動の結果、みなさんの苦しみが取り除かれ、家庭や会社に笑顔が戻ることをお祈りしています。









